建築リフォーム

旧岩崎邸(4)

東京台東区池之端(一部文京区本郷7丁目)にある旧岩崎邸のレポートの続きです。主邸から見て西側には見事なイオニア式&ドーリア式の1・2階2連のバルコニーがそびえ立つジャコビアン様式。しかし岩崎邸の外観は何度も書くが「ルネッサンス建築」の折衷様式。ジャコビアン様式、ビクトリアン様式、ジョージアンなど様々な様式の「バンガロウ型式」。総称すると「ルネッサンス建築のビクトリアンなど折衷様式のバンガロウ型式」と言ってよいと思う。この西側のウィンターガーデンは通称「サンルーム」よ呼ばれているがまさにビクトリアン様式と言える。当初は、後付けのエクスペンション(増築)だと思い込んでいたが、内部を見ると廊下と一体的に繋がる一体居室とわかる。サンルーム内部に展示されていた当時の岩崎久弥家一族の白黒写真がそれを証明している。今自分が居るこの場所は、100年以上前に岩崎家の人々が特別な場所として記念撮影され、そのまま自分が立っているこの場所でそこであという感動である。横浜山手町に現存する旧大使館宅などの装飾(彫刻)とは比べ物にならない繊細で豪華なものと言える。これは三菱創業3代目社長で弥太郎の長男久弥が選んだお抱え英国人建築家ジョサイア・コンドルと久弥自身の米国留学と深く関係しているとわたしは勝手に想像している。どの文献を探しても建築デザインに関する3代目久弥の考えを著わしたものが見つからないため想像の域を出ないが、次回#5は、そのあたりを独断と偏見でレポートしてみたい。
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