【読み間違えた開発手法】ラドバーンは、横浜市の「緑園都市」と姉妹都市を結んでいる。この開発に倣おうと、日本からの開発事業者の視察は今なお多く多く、「ラドバーン方式」と呼ばれ世界中で普及している技法である歩車道分離(サイドウォーク)袋小路(クルドサック)を真似した住宅地開発がわが国では行われてきた。しかし日本では、優れた住宅地をハード(箱物)なモノづくりの技術に読み違え、短期的なフロー経済(目新しい金儲けのための)に載せることしかしなかった。一方、欧米では、 国民の将来の豊かさの源泉となるストックの技術としてソフ トとなる側面を重要視しその資産価値を失わないルールづくりに努め続けてきた。1920年代のラドバーン開発当初から採用されたHOA(住宅地経営管理協会)を設立、住宅地の基本法 CC&R’s( 強制力を持つ民事契約)が制定され公正証書として登記された。そして、このルールに従い入居する人々ひとり一票の参政権を与えた。このHOAという組織とルールこそが、住宅地経営の裏方として住宅の資産 価値を維持向上させる仕組みを形成している。