一見、オークパークはさまざまな住宅が街区ごとに分かれて見えますが、戸建、二戸一住宅、集合住宅と店舗などさまざまな年齢層で構成され、これをミクストハウジングといいます。視察の最初に目に入った竣工したばかりという6階建てのコンドミニアムも実は木造住宅であると聞き驚きましたが、構造はどのような形態でも2X4.6.8.10材による建築工法です。そして現在のオークパークにあるこのタウンハウスやコンドミニアムという日本的に言うと「集合住宅」の価格は、約1500~5000万円。開発当時から現在までの価格推移を尋ねたところ、比較対象できるのが最初に建てられたシングルファミリー(戸建て)ということに限定して、当初価格の約3000万円、現在は約1億円となっていて、間違いなく年々価格が上昇し続けていることが分かります。参加者の一人が「それはバブルではないのか?」との質問に、「そうではない。いうならば少しづつ続く、ずっと続くバブルです」と返事が返ってきた。上昇しているのは不動産や住宅価格だけではなく、給料も年々上昇していること。不動産価格も物価上昇程度上昇していることは経済成長であり「日本の投機目的のバブル」とは根本的に違うとの指摘を受けていた。その質疑応答のやりとりを聞き、私はある種の恥ずかしさを感じました。結局、このような住宅の専門あるいは関係者でさえ日本人の多くは、自分のしてきたことや経験した範囲でしか物事を見ることができず、内需だけに依存し、広い視野に立ち、見識を持ちこれから目指すべき欧米型の資産価値を失わないストック社会に倣おうとしてこなかったつけ回しが現在のフロー経済に埋没した業者の金儲けのためだけの住宅産業を吐露してしまったような気持ちになりました。
道路幅と同じ幅だけセットバックした街並み
サイドウォーク(歩道)を横切るのではなく1区画のコーナーロット(角地)を入ると
バックアレイという裏手のスペース。ここが住民の駐車場やごみ収集の場所となる
バックアレイ
これは家と家の間の小道。ここを抜けるとコモン(共有地・公園)があり、それが先に見える