ラドバーンに到着してまず最初にこの集合住宅から視察しました。1930年代に立てられた初期のジョージアン様式の煉瓦造です。窓は鋼製サッシから樹脂サッシに交換され、煉瓦を改修した部分が随所にあります。このように100年経過してる建物は全てリモデリングで維持管理しています。維持管理して居るかぎり日本のように耐用年数を経過したから「建替え」という異常な行為は行いません。日本で100年住宅というと「100年間何もせずメンテナンスフリーで長寿命だね」ととんでもない思い込みをする人が多いですが物の寿命は20-30年としても、修理交換維持管理すれば100年以上使い続けられるという事をこの集合住宅は語っているようです。この煉瓦住宅群を通り過ぎるとコモン(公園)が広がり、このゴミ箱が他の公園にも必ずありました。バックアレイの原型ともいうべき住宅地の裏側に張り巡らされた「小路」は各家庭から道路を経ずに小学校へ行ける道です。シングリファミリー(戸建て)住宅地に入りました。デザインは概ねビクトリアン様式の木造、下見板張り、シングル葺きの屋根です。この住宅地は1920年代後半の世界恐慌のさなかに建設され、最初から「フリーホールド」(個人所有)。英国のレッチワースガーデンサバーブを手本に開発されましたがレッチワースは「リースホールド(土地はオーナーが所有)建物だけ個人所有」なのに対して、ラドバーンはフリー(土地建物共に個人所有)。やや狭小な住宅が多いため、画像のように庭の前や横に増築された住宅が非常に多いです。