建築リフォーム

米国住宅地・不動産視察2017(59) フロリダ州・オランド初日【セレブレーション】TND伝統的近隣住区開発

昨日のセレブレーションHOA(ホームオーナーズ・アソシエイション)について少し加筆しておきましょう。住宅地に入居し、住宅所有以外に公共機関に移管できない、または開発事業者も処分できない不動産は、共有財産としてHOAに置かれます。共有財産の保管とは、コモン(街路樹、公園や湖など)であり、住宅所有者は、自らの不動産価値を向上させるために、この共有財産について強い関心を持っています。ここが日本(北米でもカナダは米国とは違い日本に近いです)とは、資産価値の上がる住宅地環境に関して大きく肌感覚が違う点です。日本ならば、公園や街路樹は、役所の仕事だよね…となります。米国でもそういう地域はたくさんありますが、資産価値の上がる背景にナイスビューや美しい景観を造ることは、役所任せではなく住民の共有財産として重要な要素となっています。共有財産の管理の在り方によって、住宅地の環境管理のされ方によって大きな差異が生まれます。住宅所有者は、自らの所有する不動産価値を高めることに、この共有財産の管理に強い関心を抱くことになります。そのためには、維持管理や修繕に費用が掛かります。その費用は全てHOAから支出されるという仕組みです。そのHOAの支出財源は、各住宅を所有する(ホームオーナー)の負担という事になります。そういうと、「日本のマンションにある共益費」と同じでは…という方がいらっしゃいますが、これも全く違うものです。その費用は、この地の居住する限り、強制的に支払いを義務付けれれることで「私税」とも呼ばれています。このことを十分に理解していませんとHOAのある資産価値の向上する米国の住宅地投資を、わたしたち日本人が単に「儲かる」投資として手を出すと、しばしば裁判により強制撤去されるという結果が待っています。画像はセレブレーションの住宅地のサイドウォーク(歩道)と住宅の間に刈り巡らされているバックアレイやバックストリート(裏の小路)です。この背景にある路地を歩くとコモン(共有財産の一つの公園)などが現れることもしばしばです。後半のレンガ造の建物と芝生の間には、日本のような、「コンクリートむき出し」の基礎はありません。隙のない建築ディテールが美しい景観を生むモザイク画の一片を担っています。

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