不動産内覧#4の外部:玄関ポーチの乱張りタイル、黒のアイアンレース、アプローチのカラーコンクリート、外壁の特徴あるスタッコ仕上げ等かなり個人的な主観を感じるリモデリングが施されている。一般的に個性を出した物件は市場で売りにくい。不動産の資産価値向上(価格上昇)をねらい売買益を少しでもあ出たい米国人の考えは我々日本人とかなり違う。まず引っ越しの回数は平均7年に一度。土着が多い日本の住まい方は「終の棲家」と考えるけれども米国人(欧米人)はライフステージやステータスと共に転売していく。あるいは資産価値向上(住宅の値上がり)を担保にエクイック・ローンを組むように「家の値段」には日本人よりも敏感だ。そう考えた場合に、最新機能や性能の設備器具(太陽光発電、省エネ給湯装置)に興味があっても「近い将来、転売を考えた際に、今は最新の設備であっても、その所以来には新しい技術に取って代わるものであるから、機能性能はそこそこの汎用品で済ませる」という行動をとります。わかりやすく言うと、欧米人は住宅の「機能性能」よりも「デザイン」を優先するということです。どのような現象かというと「私の家はイタリアネイトよ」「私の家はスパニッシュよ」という会話をよく聞くことでよく理解できます。その言葉の背景には建国前からの米国の歴史文化と建築の伝統を感じさせるクラッシックデザインは「いつの時代も飽きが来なくて、人々から愛されやすい」「人気の衰えない恒久的なデザインの住宅は売り手市場となりやすい」という思考が働いています。簡単に取り換えてしまえばそれで済んでしまう「多機能・性能」の太陽光パネルや給湯器よりも簡単に取り換えられない「デザイン(様式・型式)や建築ディテール」が優先されるということです。ですので欧米の住宅産業ではそれらを受け持つリモデラー(日本的にはリフォーム)の仕事が非常に多く、新築以上にリモデラーたちが幅を利かせております。そして資産価値を維持・向上させる技術力はもちろん、自国の伝統・歴史文化に熟知していなければならないのです。