WashingtonD.Cには「EXORCIST STEP」が残っている。1973年全米を揺るがした「悪魔祓い」のオカルト映画として日本では扱われているが、私の解釈は違う。主演女優のエレンバーステインはジョージタウン大学の教授であり、政治活動家。この大学自体が昔から米国大統領の数々(近年はBクリントン、日本だと河野佐太郎など…)を輩出しているということを念頭におこう。主演男優のカラス神父は認知症の母親を施設に入れ悩める敬虔なローマカソリック神父。映画の冒頭にWashingtonD.Cに流れる日の出前のポトマック川にDC市内、アーリントン墓地、そしてこの大学の空からの撮影から始まり、いきなり大学の広場で多くの学生が集まる前で反戦の抗議街宣するエレンバーステインが現れる。そして、舞台はなんと中東イラクの古代遺跡の発掘シーンに変わる。そこで数々の悪魔祓いの儀式を経験している老人神父(考古学者)が古墳から「悪魔」の埋設物を掘り出してしまう。映画のシーンは再びWashingtonD.Cっへ戻りストーリーが展開する。この映画を見たのはわたしが中学2年生のころ。一人で2回見た。その時点では全く気付かなかったが、20台になりVTRで再度見た時点で分かったこと。1070年代初頭の米国はベトナム戦争、中東戦争にかかわってきた時期なのだ。採掘権を持つ欧米のセブンシスターズ、そして中東産油国側の地下資源を侵食する欧米への憎悪。単なる娯楽やオカルト映画とは違いこの映画は、明らかな当時の時代背景を描いた政治的プロパカンダという事に気づく。しかし当時の自称政治評論家でこのように分析する人間は誰もいなかった。しかし、その後も続いてきた米国と中東の政治的対立を見ればこの映画が「米国キリスト教=悪魔祓い」VS「イラクのイスラム系=悪魔」という設定以外に考えが浮かばなくなるはずだ。まさにイベリア半島のレコンキスタがスペイン王国のグラナダ攻略が達成したその年が、ピューリタンが米国の新大陸に向かうその年と一致する。米国の歴史は、教科書では習う「メイフラワー号」が1640年に東海岸のどこかの地にたどり着いたとき…というのは間違い。まさに米国の歴史は1400年代後半のレコンキスタ以降の(正確にはデンマークが最初)スペイン、ポルトガル、その後のオランダによる大航海時代にある。米国の最初はスペインによるカリフォルニア半島からフロリダ半島までの宗教支配、今でも米国の宗教はキリスト教であるが、宗教的に敵対関係となるのは原理主義テロ組織を含むイスラム教である。
まずは1973年映画「エクソシスト」の舞台としての当時のWashingtonD.Cのジョージタウン
最後の「エクソシスト・ステップ」は悪魔祓いで壮絶な戦いをしたカラス神父が部屋の窓から身を投じ首の骨が折れ自決した場所。今もその場所は普通に残っている。場所はジョージタウン大学の手前