旧岩崎邸の続きレポート。#では建築様式について書いたが、敷地に入ると前庭の向こうにそびえる木造3階建(地下室を含む)のルネッサンス建築、17世紀のジャコビアン様式の岩崎邸が目に飛び込んでくる。設計はお抱えの英国人ジョサイア・コンドルでこの岩崎邸以外に、上野博物館、三井倶楽部、鹿鳴館、ニコライ堂、古河邸があるが、私が見たのは仕事で行った博物館、三井倶楽部(三田)とニコライ堂(御茶ノ水)だけ。東大に招致されていたコンドルの門下生では煉瓦造の東京駅を担当した辰野金吾が日本の近代建築の草分けだろう。建物は木造の下見板張りペンキ仕上げ。左右非対称で東西南北が折衷様式でありながらルネッサンス建築の要素はしっかり守られている。全体的にジャコビアンでもありビクトリアン様式のバンガロウ型式と言っていいと私は思う。屋根は天然スレート瓦、窓はボウウインドウや張り出し窓のベイウインドウのオーナメント(装飾)の彫刻が素晴らしい。
東側の玄関側↓
西側の主庭側↓
南側のサンルーム側↓