建築リフォーム

米国中東部の建築視察4日目(59)ペンシルバニア州・フィラデルフィア

1600年ロンドンの1件のパン屋から出火したことで起きた大規模火災ロンドン大火。その後、煉瓦、組石によるルネッサンス様式で不燃都市建築の指揮を執ったのは、かのクリストファー・レン。しかし、復興が一段落すると、新大陸(米国)のグリーン都市計画が持ち上がる。仕事が余っていた大工、石工、煉瓦工を組織してペンシルバニア州フィラデルフィアの都市づくりを指揮したのがウィリアム・ペンである。シビルエンジニアリング(土木工学)による都市計画は、高度な大工、組石、煉瓦建築技術を駆使して行われた。その際に、使われたのが「ルール&アーティクル」という建築指南書。アーキテクト(建築家)が居なくても建築の標準化、共通化、単純化などが詳細に記されたこの建築教書は、現在の住宅づくりに欠かせない米国の「ホーム・プラン集」の基礎を作ったとも言われている。米国では1920年代の世界大恐慌による破たん者が続出し自殺者を生んでいた。当時の米国における住宅金融(ローン)は、現在の日本同様に「クレジットローン」であったため、政府はFHA(連邦住宅庁)に命じ「モーゲージローン」とノンリコースローン(追いかけない等価交換)が誕生した。その際の金融条件としていつの時代も懐かしさとアイデンティを感じ人々から愛され続けるクラッシクデザインが融資の条件であるとされた。米国で住宅を購入する場合、間違いなくこの「ホーム・プラン集」が使われる。開いてみるとすべてがクラッシック・デザインであることに驚く。ここから外れるようなネオモダンなどという鬼才なデザインで建設を望む場合、自由の国アメリカでさえも融資が厳しく、ローンが下りないことがほとんどである。モーゲージローンの場合、有事(自己破産)すると銀行のモーゲージ(モルトとゲージ)が発動され、その住宅を差し押さえ、中古市場で流通(再販売)させなければならない。その再販売の供給が市場の需要を条件を満たさないリスクの高い建築デザインには融資しないというのが常識である。
カーペンターホール(大工組合会館)から↓他の歴史保存地区界隈へと移動する
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独立宣言の起草分がここで印刷されたベンジャミン・フランクリン記念館
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当時の印刷工法で独立宣言の起草文を印刷してもらえる(有料)
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ここは国旗の製作所跡(当時の米国には未だ13州しか無かった)
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