建築リフォーム

旧岩崎邸(8)

【和館】旧岩崎邸の最後の画像は、日本建築と周辺施設。洋館の1階の廊下を北側に進むと、和館へとつながっている。同じ時期に大河喜十郎により設計され、明治29年に完成した伝統的和風建築である。三菱3代目社長岩崎久弥の大邸宅は和漢だけでも550坪はあったと言われるが現在は減築されている。とはいえ現在でも大きなこの和館は、文化財としての価値が高く、当時は日常生活に使われ家族もこちらで暮らしていた。一方の洋館の方は公的な迎賓館として使われていた。良質な用材が多用に用いられ、釘隠しなど各所に岩崎家の家紋である三階菱の意匠が見られる。1969年(昭和44年)に「大広間」の名称で重要文化財に指定されたが、同時期に和館の大部分が取り壊された。かつての550坪の大邸宅は、現在、大広間、次の間、三の間の3室と、茶室(待合室)、渡り廊下、便所のみが残されているだけなのは残念だ。
【撞玉室】
洋館の南側にあるログハウスの建物が木造のビリヤード室。建築はゴシック様式で木造校倉造の外観は、スイス・コテージの意匠で屋根は洋館同様の天然スレートである。洋館と同じくジョサイア・コンドルの設計で明治29年に完工した。洋館の地下室とは地下通路で結ばれ、内壁には明治期の金唐革紙がはられている。
洋館と和漢は、この船底天井の渡り廊下で結ばれている 
和館の天井高は洋館の約1/2と低い
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和館を出ると、和風庭園越しに洋館が見える
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庭園を歩き洋館の南側にある撞玉室(ビリヤード室)へ向かう
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                (次回、東京大学の建築レポート)

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