昨日は、経年と共に朽ちることなく資産価値が年々向上し続ける「セレブレーション(フロリダ州・オランド)」の住宅地のひとつの仕組みについてご紹介しました。HOA(ホームオーナーズ・アソシエイション)つまり住宅地経営法人による入居者が加入するハードとソフトなルールにより、この住宅地全体が厳しく維持管理され、ルールに従わない場合は、HOA規約によりイエローカード(罰金)その次は裁判を経て警察立会いのレッドカード(追放)という運命が待っていることをお伝えしました。芝刈りや街路樹の手入れは、月々の課金によりHOAによる維持管理を、宅内の内装・設備などのリモデリングは入居者が繰り返し更新することが多く、そのリモデリングは高値で再販売するための投資と言えます。しかし、資産価値を維持向上させるための手段としてリモデリングにより最新のドライウォールやジュータン替え(内装)や最新の窓交換、設備器具更新といった「機能・性能」よりももっとも重要視されるのは、当初からの「建築デザイン」です。優先順位はデザイン⇒機能・性能です。後者は、先ほど申し上げたように交換さえすれば、その「機能・性能」は速やかに手に入ります。しかし、このデザインだけは簡単には交換できないものです。そのために資産価値が向上する条件として、古くからあり、伝統的に人々から長く愛され続けてきた建築スタイル(様式と型式)は「クラシックデザイン」に限られると米国人は考えています。これは、欧米に共通した認識です。100年以上経過した伝統的なデザイン様式と型式は、今もそして未来も色あせることがなく、歴史文化を反映し祖国へのノスタルジーとアイデンティティーを感じるクラック・デザインが資産価値が維持向上する住宅として選ばれているという訳です。下の画像は、セレブレーションの建築デザインの一例で、美しい左右対称の後期ジョージアン様式、鐘楼の付いたクイーンアン様式、スパニッシュコロニアル様式、クラフツマン様式のバンガロウ型式の住宅です。